【50代女性】売買契約した農地について

家族関係

父: 80代
母: 80代
長女(相談者): 50代
二女: 50代

相談内容

母が所有している農地について、運送会社が近隣の複数の土地と合わせて、土地を買い上げ、倉庫として活用することになりました。複数の所有者が関係する大規模な契約です。相談者の母は、買い主である会社と売買契約を締結しましたが、対象土地が農地であるため、実際の所有権移転までには農地法にもとづく転用許可が必要となります。その地域の農業委員会と掛け合ったところ、許可が下りるまでには 1年ほどかかるとのことでした。

母は 80代の高齢であること、施設で暮らしているが、最近体調がすぐれず入院することもあり、ご長男としては、心配していらっしゃいました。

対応策

農地の売買契約については、転用許可が下りた段階で、所有者である母の意思能力がなかった場合、契約代金残金の受領、物件の引き渡し、所有権移転登記の申請といった売買契約の履行ができなくなってしまいます。転用許可までは 1年と時間を要するため、その間に高齢の父の具合が悪化することは十分考えられます。

そこで、母を委託者、長女を受託者、当初受益者は母とする信託契約を締結することにしました。信託財産には、売買契約の対象となっている農地、さらに、売却が完了した際の売買代金を含めました。

信託契約を結んでおけば、母の意思能力が低下してしまっても、受託者である長女男が、買主である運送会社と無事契約履行を行うことができます。複数の関係者がいるため、この一物件の売買契約の履行が滞ってしまうと、買主はもとより、他の所有者・関係者に多大な迷惑がかかってしまいます。そのリスクを回避できるという点から、信託はとても有効です。

ちなみに、後見制度を使うと、後見人の選任申立てに費用と時間を要する上に、後見人が選任されたとしても、今回の売買契約に関する行為が含まれるかどうかは裁判所の判断を待たないと確定できません。自筆遺言が作成されていますが、相続発生前、つまり母が亡くなる前については、効力がありませんので、意思能力が低下した状態のカバーができません。

信託契約を結んだときのご長女のホッとされている様子が印象的でした。

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